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「日本画 太田聴雨」
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日本画 太田聴雨
大正と昭和を代表する日本画家、太田聴雨。 彼は花鳥画・歴史画・肖像画と幅の広い作域をもち、古典的で清楚な作風で知られ、それに加え新しい時代意識を盛り込もうとした試みも見られ、伝統への愛着と現代的表現の中にも制作の道も求め続けており、特に彼の代表作「星をみる女性」は五人の和服を着た女性と天体望遠鏡というミスマッチな組み合わせですが静かな調和があってしかもこの作品は切手にもなっており、彼は現代にも通用するすばらしい才能をうかがわせるエピソードです。 画家として活動するまで彼は川端玉章の門下の内藤晴州に学び、そこで青樹社を結成し、昭和2年より前田青邨に弟子入りをして昭和5年に「浄土変」で第1回日本美術院賞を受賞し、昭和26年に東京芸術大学助教授を務めて昭和33年3月2日61歳で死ぬまで幅広い活動をしていった画家なのです。 「浄土変」で第一回日本美術院賞を受賞後、画家として本格的に院展を中心に活躍をして「星をみる女性」以外にも「種痘」「山陽母子」「西郷南洲と橋本景岳」「園」「二河白道を描く」「家郷」「青年」「牡丹芳」「梅」「ボタン」などの名作をたくさん生み出していって古典文学や現代風俗からインスピレーションを受けており新鮮で知的な才能があることをうかがわせます。 彼の作品は古典文学や現代風俗の作品からタイトルが付けられることが多いです。文学から着想を得た彼の作品からはロマンチックな情景が浮かんでくるようです。文学から見えた風景を絵画という形で具象化し、彼のオリジナリティー溢れる作品として人々を魅了する、非常に優れた画家なのです。 これらの作品の大半は透明感あふれる水彩画で制作しており、生涯において執筆された絵画はロマンチックでみずみずしい情景が浮かんできて古典的でもあるけど現代的な要素も感じられます。 そこで代表する「星をみる女性」の作中で描かれている望遠鏡。実は、国立科学博物館に設置された屈折望遠鏡だそうです。しとやかな和装の女性たちと望遠鏡、なんとも不思議な組み合わせで、一度見たら忘れられません。そのくらい彼の作品には力が込められているんだと思います。
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